斎藤宏介が目の前でギターソロを弾いていた。

 いやもうタイトルの通り。それ以上でもそれ以下でもありません。UNISON SQUARE GARDENが6thアルバム『Dr.Izzy』を引っ提げて回る全国ツアーのオリックス劇場での公演に行ってきました。その感想文です。ライブのネタバレ含むので見たくない方は回れ右。めっちゃ長いので注意。セトリは最後。

 

 三時からグッズの先行販売とのことだったので、(平日だし、時間丁度に行くくらいでさくっと買えるだろ)と思って三時頃に会場に向かうと、すでに結構長めの列が。そういや高校生なんかはもう夏休みでしたね! 暑い中みんなよく並ぶなぁと他人事のように思いながら自分も列に並び、40分くらいしてようやく買えました。ここではTシャツとタオルを一枚ずつ。ユニゾンはグッズがたくさんあるのでどれを買うかいつも悩みます。

 それから開場までの2時間までは着替えと読書でどうにか潰し、いよいよチケットの半券を握りしめて自分の席へ。今回、なんと前から二列目という最高の席が割り振られていたのです。番号は遅めだったので、端っこの方なのかなと思いきや……斎藤さんの目の前!め・の・ま・え!!!!! 距離も5~7メートルといった具合でめちゃくちゃ近い。始まる前から感動で泣きそうでありました。ライブハウスで前の方に行くのは基本的に諦めているので、もうこんな近くでUNISON SQUARE GARDENのライブアクトを観ることはないだろうなぁ。しかとこの目に焼き付けて帰ることを密かに誓いました。ちなみに目の前が斉藤さんだったので今回の感想は半分くらい斎藤さんの挙動についての感想になります。

 ステージにはシンプルだけどなんだか独特なセットが。仮面ライダーディエンドの顔みたいなのがいくつもあり、斎藤さん、田淵さんのマイクの前にもそれがぶら下がっていた。

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 ↑仮面ライダーディエンド

 

 定刻を5分ほど過ぎたところで、いつものSEが流れて3人が登場。貴雄さんはリラックスした様子。毎回ふらふら入ってきてる田淵さんですが、同じくらいの高さで見るとめちゃくちゃ変な人だった。遠くから見るのとはまた別の「変」を感じます。ほんとに人間かこいつってくらい変な動きだったんですねあれ……。斎藤さんは細い。イケメン。王子様。そら女の子もきゃあきゃあ言うわ。俺も女の子ならきゃあきゃあ言うわ。そしてセットの向こう側で準備すると、あのあやしげなイントロが鳴り出して、ライブはやはり「エアリエルエイリアン」でスタート。逆光とステージのセットで姿は見えても表情が見えない中、プログレバンド顔負けの変拍子を余裕で乗りこなす3人すげえ……となるばかり。そのまま「アトラクションがはじまる (they call it "NO. 6")」に突入、パンキッシュなビートとともに会場も沸き立ち、吊り下げられていたセットも上昇していきます。そして見えたメンバーの表情! なんて楽しそう! これを目の前で見れるってなんて素晴らしいんだ。

 次いで投下されたのは、前回のツアーでは終盤に演奏された「場違いハミングバード」。さっそく演奏されたこの曲に、驚きと興奮が隠せない。いきなりこの曲を演るなんて、今回のセットリストはよほど自信があると見える。

 短い挨拶を終えると、「マジョリティ・リポート (darling, I love you)」「マイノリティ・リポート (darling, I love you)」を立て続けに演奏。アルバムとは順番を逆にしてくるところがニクい。「Miss.サンディ」で会場を陽気にしたかと思うと今度は「パンデミックサドンデス」で《全部全部意味分かんない》と突き放す。赤い照明で照らされた斉藤さんの立ち姿がかっこよすぎて女の子だったら惚れてた。

 バラードを挟んで「等身大の地球」へ。個人的に結構嬉しい選曲。ベースラインがすごくいいよね……。「シャンデリア・ワルツ」では目の前で斉藤さんがギターソロを弾いていた、気がする。目の前で斉藤さんが前に出てギターを弾き倒している姿はなんか神々しいしエロいしで頭をやられたのか、どの曲の時にやったのかちゃんとした記憶が無いんです。

 MCはアルバムともユニゾンのこととも全く関係ない話。自分たちの音楽は鳴らした音で語ろうということでしょう。かっこいい。ちなみにここ以外にMCらしいMCはありませんでした。ほぼずっとライブをやりっぱなし。考えてみるとかなりストイックな気がするけど、ライブ中はそれを微塵も感じさせないアクトを見せるから本当にすごい。

 ゆるいMCから、大した前振りもなく「mix juiceのいうとおり」へ。リードトラックだというのに何も言わずにやるのかと言うと、ユニゾンからすればリードトラックだからこそ何も言わずにやるのだろう。雰囲気の力を借りず、曲の力だけで観客をぐいっとライブへ惹き込んでしまうのだ。ここでも、「mix juiceのいうとおり」の「シュガーソングとビターステップ」にも通ずる多幸感で、会場は次第にパステルカラーの感情で満たされていくかのようでした。

 続いては短いセッションからのドラムソロ。5thアルバム『Catcher In The Spy』以降特に成長を感じられる貴雄さんだが、手数が増えていくばかりでなく表現力の方も増してきている気がする。ドラムソロで一度はけた斉藤さん・田淵さんが音を鳴らしながら再び現れてセッションを再開すると、斉藤さんのタイトルコールで「BUSTER DICE MISERY」へと雪崩れ込むように突入。この入り方がめちゃくちゃかっこいよかった。間奏の怒涛のキメもばっちり合わせて「オトノバ中間試験」に繋ぐと、斉藤さんが再び前に出てきます。イントロをギターを弾きながらはにかんだかと思うと、一瞬ぺろっと舌を出してマイクの方へ。一瞬。ぺろっと。舌を。そんなことをしたら女の子死ぬのでは!? と思ってたら案の定それを目の前で見せられた女の子は口元抑えてなんだか悶えているようでした。それにしてもこの言葉を詰め込んだメロディを涼しい顔で歌う斎藤さんすごい。最後の《追試でございましょう?》でこちらを指差す田淵さんも可愛い。

 そしてみなさんお待ちかねの「シュガーソングとビターステップ」はやっぱり名曲。そしてボルテージが最高潮まで高まったところで「オリオンをなぞる」を投下、おまけに「Cheap Cheap Endroll」と続くこの流れが最高すぎた。最高すぎて逆に何も書けない。最後の〆は「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」でもう一つ盛り上げて終幕。どんなセトリになるんだろうと「場違いハミングバード」を聴いた時に思いましたが、なるほどこれはすごくいいセトリでした。

 アンコールでの登場も、少しだけ喋るとすぐに曲の方へ。風通しの良い「フライデイノベルス」を披露すると、次は斎藤さんが作曲した「スカースデイル」。あのアルペジオ弾きながら歌えるって何者だよ……。アンコール最後は「桜のあと (all quartets lead to the?)」と、もう一度会場を湧かせてライブは終わったのでした。

 

 セトリを見ると(あれもあれもやってないんだな)と思うのですが、それを残念に思うよりもずっと、今回のライブは楽しかった。メンバーが目の前にいたからというのもあるかもしれない。多分こんな機会二度と無い。ちょっと斎藤さんの調子が悪かったような気もするけど、そんなのどうでもいいと思うほどかっこよかった。ギターソロでちょっとギターを抱くような仕草をしたの、あれがエロすぎた。女の子だったら惚れてた。田淵さんは平常運転……だったのだろうか。遠くから見てるのと近くから見るのでは全然違ったので分からないが、まあとても元気そうだった。「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」でのスピーカーを飛び越える大ジャンプ、すごい迫力でありました。前まで出てきては般若みたいな顔でベース弾いてるかと思うといきなり破顔したりしていたので、田淵さん側の人は彼の顔だけ見てても飽きなかったんじゃないでしょうか。貴雄さんは、すごく観客の方に意識を向けて演奏しているように見えた。何度もスティックで客席の方を指す仕草が印象的だった。3人とも楽しそうに笑顔だったのを間近で見られたのが、自分も楽しくなれたきっかけの一つなのは間違いないでしょうね。

 

 ちなみに新譜・旧譜を2000円分買ったら販促ポスターをプレゼントというのを会場でやっていて、シングル『スカースデイル』『オリオンをなぞる』は持ってなかったので(ライブでもし演ったらCD買うことにしよう)と思っていたら見事にどっちも演ったので帰りに二枚とも買いました。ど、どうせいつか買うつもりだったし……。ポスターももらいましたが思ったよりでかい。貼るところに困りそう。これでUNISON SQUARE GARDENのCDは『新世界ノート』以外は一応全部持っていることになります。いつの間にこんなに集まってたんだ。

 

 6thアルバム『Dr.Izzy』を買ってから、ユニゾンを聴くときはほぼずっとこれを聴くくらいに気に入ったアルバムだったのだけど、ライブで聴いた後となってはますます好きになってしまいそう。まだ聴いてない人は是非聴こう。このアルバム自体の感想もきちんと書きたい(書くとは言ってない)。

Dr.Izzy (初回限定盤)(CD+2 LIVE CD)
 

 おわり。

 

セトリ

1.エアリエルエイリアン

2.アトラクションがはじまる (they call it "NO. 6")

3.場違いハミングバード

4.23:25

5.マジョリティ・リポート (darling, I love you)

6.マイノリティ・リポート (darling, I love you)

7.Miss.サンディ

8.パンデミックサドンデス

9.8月、昼中の流れ星と飛行機雲

10.君はともだち

11.等身大の地球

12.シャンデリア・ワルツ

13.mix juiceのいうとおり

(ドラムソロ)

14.BUSTER DICE MISERY

15.オトノバ中間試験

16.シュガーソングとビターステップ

17.オリオンをなぞる

18.Cheap Cheap Endroll

19.徹頭徹尾夜な夜なドライブ

En1.フライデイノベルス

En2.スカースデイル

En3.桜のあと (all quartets lead to the?)