2018年マイベストソング10選

 2018年マイベストソング10選です。今月からSpotifyを有料会員として利用し始めたので、Spotifyで聴ける曲で選んでみました。ほんとはプレイリストつくって貼っ付けたかったのですが、以前登録したときに本名で作ってしまい、しかもアカウント名を変更できないということなので諦めました。一曲ずつSpotifyのリンクを載せています。

 曲だけにするとアルバムでやるよりラクですね、アルバムだとなんていうか「この曲はたくさん聴いたけどこっちはそんなにだな……総合的に判断しなきゃな……」とかいろいろ考えてしまうのですが、曲だと「わ~いこれたくさん聴いた~」と選べるので。

 

1.ゆら・ゆらRing-Dong-Dance/Pastel*Palettes

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 スマホゲーム『バンドリ!ガールズバンドパーティ』のバンドの一つPastel*Palettesの2ndシングル表題曲。

 4つ打ちでどキャッチーなメロディとくればその時点で強いのですが、一時期のマイブームにならず半年聴き続けたのは楽器隊もいいからかなと思います。ベースラインがわりと動くのが聴いていて気持ちいいのと、目立っているわけではないですがギターがすごくいい。イントロ・アウトロのシンセ?の裏で鳴っているギターに耳を傾けて聴いてみてほしいです。

 余談ですがこちら最高のちさ×あやソングで、安易に《Love you》とせず《Like you》とすることで含みをもたせるところとか本当に分かっている。バンドリ!は公式からの供給が本当にすごい。

 

2.first song (at the terminal)/cinema staff

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 cinema staff×アルカラのスプリットシングルからcinema staffの曲をば。

 イントロからいきなりの変拍子、美しいメロディ、エモい歌詞とcinema staffの真骨頂がこれでもかとばかりに詰め込まれた一曲。変拍子を「変拍子やってま~~~す」とドヤ顔せずに澄ました表情でこなしてる感じがかっこいい。

 

3.FREAKS & GEEKS/ナードマグネット

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 両A面シングルの片方。

 ほとんど一つのリフで構成された3分弱に託される冴えない僕たちの歌。ナードマグネットはどんどん音が分厚くなってかっこよくなってきていると思います。ギターソロ前のセクションに攻めの姿勢を感じる。聴いとくなら今のうち。

 

4.Easy Go/エレファントカシマシ

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 パワフルすぎてビビるんですが宮本浩次ってもう50歳くらいなんですよね……? どこにこんなエネルギーがあるんだ。社会人になって、今までとは違うことで落ち込んだりもするのですがこれを聴くと、非常に安直な言い方ですが、元気が出ます。

 

5.WANTED GIRL/TrySail

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 もちょかわいい、なんすかわいい、天ちゃんかわいい。

 高校生の頃ハヤシケイという人をボカロで知ってよく聴いていたのですが、ここに来て彼がTrySailに曲を提供しているの、点と点が線で結ばれたなぁという気持ちになります。運命ってほど大げさじゃないけど、ここで繋がるのかと感慨深い感じ。

 

6.SILENT VOICES/温泉むすめ SPRiNGS

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 温泉むすめ自体は全く知らないのですが、SNSで教えてもらい聴いてみて(なんじゃこりゃ~~~~~)とどハマりました。Kalafinaばりのハモりをやってるんですけど、一方で声質や歌い方がバラバラで、そのアンバランスさがすごくクセになります。

 

7. SYULOVER/SAKANAMON

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 SAKANAMONの5thフルアルバムから、ゲストにCzecho No Republicからタカハシマイと東京カランコロンからせんせいを招いた曲です。

 ダンサブルなビートに乗る男の妄想ソング。複数人ボーカルの掛け合いって聴いてて楽しいですよね。わりと情報量が多く濃密な曲なんですが3分ないのであっという間。

 藤森さんが楽しそうでなにより。

 

8.ODD FUTURE/UVERworld

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 UVERworld、そんなに聴いてこなかったんですがこの曲はすげーかっこいいなと思います。しかしこの手の曲に対する語彙力を持ってないのでチャラいとかしか出てこない。

 ヒロアカには正直合ってないなと思ってるんですけどネ。

 

9.品がねえ 萎え/挫・人間

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 どんどんやり方がフリーダムになっていく挫・人間。なんていうか、思っていることと好きなものとを悪魔合体させた感じですごくインターネットっぽい曲だなと思います。《優しい奴はヤバい性癖を持っている》《少年ジャンプを読む中年 大人達はっていうのめっちゃ怖え》とかなかなかのパンチラインばかりです。

 

10.エニウェア/ベランダ

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 ベランダは今年になってから知ったバンドなのですが、オルタナ!!サイケ!!って感じで、聴けば突き刺さる人もきっと多いんだろうなと思います。ギターの音がとても好きです。

 

 というわけで10曲でした~。順位はかなり適当ですが上3つは特によく聴いたなぁと思います。

 選曲がこう、「ちょっとサブカル寄りのオタク」っぽいなという気は自分でもしているのですが、そんなの今に始まったことじゃない。せっかくSpotifyで有料会員になったので、TLで話題になってる洋楽のアルバムなんかもチェックして少しずつ幅を広げられたらなと思います。ヒップホップを聴いてみたい、と思いつつ、まずはArctic Monkeysのアルバムをチェックしようと思っています。

 おわり。

半年経ってから選ぶ2017年マイベストアルバム

 読んで字の如くな内容です。

 仕事始まろうが普通にCDは買っているので就職前の「音楽聴かなくなるんじゃねーのか」という心配は杞憂に終わりました。むしろ「給料入るしいいや!」と思い買うことに躊躇いがあまりなくなった。浪費の才能があるようです。この才能異世界行ったらチート能力に変換されたりしねーかな。

 話がソレました。まあそこそこ新しいのも聴いたんですけど、そんなすぐ咀嚼できねーやと放置してるので四半期だの上半期だのではたぶん選べねえ。

 確か2017年のマイベスト記事書いてなかったので帳尻合わせということでこれを書くことにしました。帳尻合わせって言っても別に義務でもなんでもないのですが、強いて言うなら自分の中で(書いてなかったな~)という微妙な気持ちを(半年経ってから書いてやったぜ~ワイルドだろぉ~)という気持ちにするためです。これを読んだ方が、こんなのあったねとか、そんなのあったのとか、思ってもらえたら嬉しいです。

 順位は特につけてないです。

 

小松未可子『Blooming Maps』

Blooming Maps(CD+DVD)(初回限定盤)

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  さっそく最近聴いてないやつだ!

 しかし2017年によく聴いたアルバムか~と考えたらこれがやっぱり思い浮かびます。聴きながら目を閉じればそこには強くて可愛くてかっこいい女性がいる。誰かと思ったらみかこし本人。みたいなアルバム。

 2018年のアルバムも楽しみです。ワンマンも行くよ!

 

ねごと『SOAK』

SOAK(初回生産限定盤)(DVD付)

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  クール。大人。かっこいい。です。

 「DANCER IN THE HANABIRA」はバンドリの「ちさ→あや」な歌だと思うのでバンドリ知ってる人は(ほんとか…?)と思いながら歌詞も読んでみてください。解釈違いだったらごめんなさい。

 

SHISHAMOSHISHAMO 4』

SHISHAMO 4

SHISHAMO 4

 

 SHISHAMOはいっつもその年のマイベストを考えようというタイミングになると(そうは言っても「普通」だしな…)と思って入れなかったりするのですが、普通は普通でも超高レベルな普通なので何年経とうが聴けちゃうのだろうなと最近は思います。全国の女子中高生に届け~と思いながら聴いています。

 

Brian the Sun『パトスとエートス

パトスとエートス(初回生産限定盤)(DVD付)

パトスとエートス(初回生産限定盤)(DVD付)

 

 ややソリッドな曲が多めですが基本的にはSHISHAMOと同じ印象で、時代を選ばず聴ける気がします。これ聴くなら他の聴けよと思う気持ちも分からなくもないのですが、帰ってきたくなる感じのやつです。

 一曲目のドラムの音が好き。

 

TrySail『TAILWIND』

TAILWIND

TAILWIND

 

 三人とも可愛いれす(^ρ^)

 

GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』

ROADSIDE PROPHET(通常盤)

ROADSIDE PROPHET(通常盤)

 

 音圧バキバキのアニソンなんかの後に聴くとその音のふくよかさにたまらない気持ちになります。すげー濃密なアルバムなのですが、収録時間は50分切ってるのが地味に驚きです。

 

GRAND FAMILY ORCHESTRA『YELLOW VALENTINE』

YELLOW VALENTINE

YELLOW VALENTINE

 

 転岩転じてロックンロールって感じ。意味がわからない? 私もです。かっこいいってことだと思います。

 バンドにいろんなことが起こりすぎているのを見ていてまじ頑張ってくれ……という気持ちになっています。

 

挫・人間『もょもと

もょもと

もょもと

 

 切ない気持ちになりたいときは「チャーハンたべたい」の最高なギターソロを聴きましょう。あーもうたまんない。

 

For Tracy Hyde『he(r)art』

ハート

ハート

 

  長いアルバムは聴くのが億劫でアルバムの全貌を把握するのに時間がかかりまして、これもまあそうなんですけど、最後の「Halation」でどれだけ長くても許す! 君たち最高! という気分になります。

 

ナードマグネット『MISS YOU』

MISS YOU

MISS YOU

 

 『この恋は呪い』以降のアルバムは一通り聴いてるのですが、音が年々分厚くなってるのが良いですよね。「グッバイ」 が好き。

 

 2018年上半期を振り返るついでに去年のこともちょっと思い出してみると、なにか新しい発見とかあるかもですね。結局こればっか聴いてるなみたいな。何枚かカタログから引っ張り出して久々に聴くのもオツかもしれません。

 おわり。

小説のプロローグだけを書いたやつ

 

 

『お前の父ちゃん魔王さま』

 

「や~いお前の父ちゃん魔王さま~!」

 それは俺が五歳くらいのときのこと。通っていた幼稚園で俺は、そんなふうにいじめられていた。
 そのいじめの主犯格は勇者の息子だった。

「みんな知ってるか? こいつの父ちゃん、俺の父ちゃんにボコボコにされたんだぜ~!」
「まじかよだっせー!」
「「だっせー!」」

 そんな悪口に、俺は黙って唇を噛みしめることしかできなかった。
 だって勇者の息子の言葉は、本当だったから。

 ***

 そもそもなぜ勇者の息子なんかと同じ幼稚園に通わなくてはならないのか。
 それも、父ちゃんが勇者にボコボコにされたのが原因であった。魔王が勇者に敗北すること。それすなわち、魔界の崩壊につながるのだ。
 しかし、魔界の住人たちはどうなるのか? 魔界とともに消し炭になるのか?
 答えは否である。
 今、魔界の住人たちは、勇者やその仲間たちへの復讐の機会を窺いながら、人間界でひっそりと暮らしている。
 魔界の住人と言えど、人間界憎しで過ごしていたわけではない。我々には我々の生活があり、その中で魔界の空気──人間界では瘴気と呼ばれるらしい──が境界線からすこ~し漏れ出してしまっていただけなのだ。確かに人間たちには毒となってしまう気体なのだが、こちらとしては普通に生活していただけなのだから仕方ないではないか。
 それを、「魔王が人間界を乗っ取ろうとしている!」などとほざき、魔界に乗り込んできたのが勇者とその御一行様なのである。
 魔界の住人の人権など知ったことではないとばかりに暴虐の限りを尽くした彼らは、やがて俺たちの住む魔王城までやってきて、俺の父ちゃんをボコボコにしやがったのだ。
 かくして魔界は崩壊、人間界に瘴気が漏れ出ることもなくなり、勇者たちはご満悦で帰っていった。しかし残された我々はどうなる? このままでは我々の住むところがなくなるだけだ。
 そこで我々魔界の住人は、勇者たちのあとを追う形で、崩れかかっていた人間界へとつながる門をどうにかくぐり、人間へと擬態して過ごし始め──今に至るのである。

 ***

「くやしい! 俺はくやしいよ、母ちゃん!」

 家に帰ると俺は母ちゃんに泣きついた。みっともないことだと分かっていても、その時の俺には涙を止めることはできなかった。

「あらあら」

 母ちゃんはそう言って頬に手を当てながら、もう片方の手で俺の頭をよしよしと撫でた。
 人間に擬態していたはずなのになぜバレたのか。それはひとえに、あいつが勇者の息子だったからである。
 勇者は魔王との戦いで死力を尽くし、その力を失った。しかしその血を継いだ息子には、魔王家の血筋が近くいると直感的に分かるのだという。そうして魔王の息子だとバレた俺は、冒頭のようなみみっちいいじめを受けていたのだ。
 そんな俺をひとしきり甘やかし、宥めすかし、俺の涙がようやく止まったところで、母ちゃんはこう言った。

「──優しい魔王になりなさい?」
「……え?」

 その日の母ちゃんの瞳の柔らかさを、俺はきっと忘れないだろう。

「あなたには魔王の血が流れているわ。その力を本気で使えば、勇者と互角にだって戦える。お父さんは負けてしまったけれど……それも、勇者のロケットに、彼の妻の写真が入ってるのを見てしまったから。彼の家族のことを想って、あの人は最後の一撃を放てなかったの」
「……」
「力に任せて何かを壊すのは簡単。けれど、お父さんはそうはしなかった。だからこそ魔界はあの日まで平和に続いていたし、今の私たちがあるのよ。その誇りを、どうか忘れないで?」
「……っ」

 俺は再びにじみはじめた目元をぐしぐしとこする。母ちゃんが目元を細める。

「だからね。お父さんと同じ、優しい魔王になりなさい?」

 俺はぶんぶんと首を縦に振った。母ちゃんが笑った。なんだなんだと、二階から父ちゃんが降りてくる。きっとこの様子だけを切り取れば、普通の人間の家族と何も変わらないのだろう。

 ──優しい魔王になりなさい

 父ちゃんに抱きつきながら、母ちゃんの笑顔を見上げながら、俺はその言葉を頭の中で繰り返していた。
 そう。
 その言葉が、これから語るすべての始まりなのだ──

 

 

 続きません。