つかずはなれず

マイペースなかいわれだいこんを目指します

スピッツ『醒めない』

 恥ずかしながらスピッツを聴くようになったのは大学生になってからであります。それまでは「チェリー」のサビしか知らなかったし、ゆずとかコブクロと同じようなものだとばかりに思ってました。ぶっちゃけるとバンドだと思ってなかった。

 ところが大学に入ってから『三日月ロック』を聴かせてもらって「うわかっこいいやんけ」とあっさり手のひらを返し、それ以降たくさん聴くようになり数年が経ちます。『醒めない』はそんな風にスピッツを聴き始めてから初めてリリースされたアルバム。スピッツくらい長くやっているバンドになると、過去のアルバムを後追いのカタチで聴くことの方が断然多くなってしまう中で、こうしてリアルタイムで聴けるというのはとても嬉しい。

醒めない(初回限定盤)(DVD付)

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  「ロック」と言われて思うこととはなんだろう、と考えた時、自分が一番に思うのは「バンドサウンドであること」なわけです。「ロック」を一口に定義するのは困難を極めそうだけど、アーティストの姿勢や歌詞は置いといて、音楽的な点で言えば自分が思うのはまずそれ。そこでこの『醒めない』を聴いてみると、スピッツをロックバンドと言わずして何をロックバンドと言えばいいのか! という気持ちになります。なんともイカしたバンドアンサンブルでありましょうか。まずサウンドがすごく良い。特にベースの音に痺れます。一曲目の「醒めない」からがっつり歪んでいてかっこいい。ギターが素晴らしいのも言わずもがな。ザラリとした感触の「SJ」から、渋くてロケンローなリフを聴かせる「ハチの針」の流れが最高です。ドラムもふくよかでいて抜けの良い音で、聴いていて気持ち良い。そして、それらが綺麗に混ざり合って楽曲になっているというのがもうたまらん。お互い殴り合うほどに独立してるのではなく、だけどそれぞれの存在感はばっちり感じられるこのアンサンブル。それをさらりと聴かせてしまうのがまたニクいですね。

 

 ところで、スピッツアルペジオのセンスがまじでヤバいというのが俺の中でお馴染みなのですが、今回は「みなと」のサビの裏で鳴っているアルペジオが特にいい。めちゃめちゃ心地よい。


スピッツ / みなと

 まずシングルで出て、単体で聴いた時は(うん?)と言った感じであんまりピンと来てなかったんだけど、アルバムの流れで聴いてみてすげー良い曲だなとようやく思った。何と言ってもメロディが綺麗。それにしても《汚れてる野良猫にも いつしか優しくなるユニバース》とかどうやったら思いつくんでしょうね……。《野良猫》と《ユニバース》が結びつくマサムネさんの頭の中を覗いてみたい。

 ちなみに間奏の口笛は最近1stシングルをリリースしましたスカートの澤部さん。「子グマ!子グマ!」ではCzecho No Republicのタカハシマイさんをコーラスとして迎えていたりして、もう若くはない彼らの目が若手にも向いているということに感銘を受けつつ、そんな風にどんどん新しいものを取り込もうとする彼らの音楽への情熱を感じられて嬉しくなります。こんな人たちが国民的なアーティストだなんて最高じゃないか。

 キャリアも長いというのに、ここにきて一段と頼もしくなった彼らの原動力は音楽への醒めない情熱なんだと思うと、なんだかとってもついていきたくなりません? 俺もスピッツと一緒に、「音楽が好き」って気持ちをさらに育てるつもりですよ。まだまだ醒めない。

 おわり。