GOING UNDER GROUND『Out Of Blue』

 長いこと活動しているらしいGOING UNDER GROUNDだが、俺が出会ったのは今年に入ってから。スピッツ主催のライブイベント『ロックロックこんにちは!』で、終演後スクリーンに映し出された映像とともに流れた曲が初めての出会いだった。「窓ガラスさえも割れない奴らが 教室の隅で組んだようなバンド」という歌詞にガツンとやられた。それはとても瑞々しい曲で、実は最後にバンド名が出るまで新進気鋭の若手バンドだと勘違いして「スピッツこんな若手バンド見つけてたのか、やっぱりアンテナ張ってんだな」とか感心してたんだけど全然違って(それでも、この曲を最後に持ってくるセンスにやっぱり感心してた)。GOING UNDER GROUNDってこんな瑞々しいんだ!となんだかいたく感動して、「the band」って曲名もばっちり覚えて帰って。しばらくしてから、今年発売のアルバムに収録されることを知って、初めてGOING UNDER GROUNDのアルバムを買うに至ったわけです。それがこの『Out Of Blue』。

 

Out Of Blue

Out Of Blue

 

  これがまたまたかっこいい。良くも悪くも普遍的なバンドで、一点のずば抜けた特徴や飛び道具などがあるわけでもなく、時々飽きるけど、ちょっとしたらすぐまた聴きたくなるような、歌詞もメロディもすごく高水準なバンドだなと思った。「the band」を初めて聴いたときの感覚として「瑞々しい」と書いたけれど、そんな煌く青葉のような若々しさがアルバムの隅々まで行き届いていて、だけど、ちょっとやそっとの風じゃ折れないような丈夫な枝があって、幹も根っこも図太くて、まるで丘の上で枝葉を目一杯に伸ばしてそびえ立つ大木。もちろん背景は晴れ渡る青空。そんなイメージがこのアルバムにはある。「the band」の他には特に前半の曲がお気に入りなのだけど、それら全てがこの曲に集約していくような気すらする。そして最後に配置された「the band」でその生命力を一気に解き放つのだ。

 彼らがこれまでに何枚アルバムをリリースしてるかまだ知らないのだけど、今作が自分にとって初めてのアルバムってのはなんだか嬉しい。このバンドの過去作も少しずつ聴いてみようと思ってるけど、まだしばらくはこればっかり聴きそう。

 おわり。