チョコレートコスモス

 朝から散髪。その後は大学で読書(とゲーム)。オープンキャンパスをやっていて、高校生がたくさんいた。あどけなくて初々しい感じの子もいれば、もう雰囲気だけなら大学生みたいな子もいた。高2の時、大学がどんなところかなんて興味はほとんどなかった気がする。俺が高2の夏に興味があったのってなんだっけ? と思ったらアニメだった。シュタゲ、タイバニ、アイマス。音楽もあの頃はまだロックバンドじゃなくてアニソン・ボカロを聴いてた。その頃からロック系の音楽は好きだったけど、バンドは全然知らなかった。ユニゾンの1stを聴いて衝撃を受けるのは高3になる前のどこかだったけど、いつ頃だったかあんまりちゃんと覚えていない。

 

 恩田陸の『チョコレートコスモス』を読んだ。分厚いからちょっと手を出すのを躊躇っていたけど、いざ読み始めると一気に読めた。演劇のお話。友人の演劇を何度か観に行ったことがあって、その時の様子を思い出しながら読んでいた。演劇を始めて数ヶ月の天才少女・佐々木飛鳥の圧倒的存在感。彼女から、感情移入できないような掴めなさを俺は感じたのだけど、だからこそ読んでいて「こいつが次に何をしでかすのか気になって仕方ない」と思わされた。その視点は飛鳥を最初に「こいつはすごいやつかもしれない」と思った大学生・梶山巽の視点と一致していたように思う。俺は気づけば、彼女の挙動に目を見張るオーディションの審査員の一人となっていたのだ。また、どんどん嬉しい、悔しいと言った感情の動きが大きくなっていく(つまり人間くさくなっていく)プロの役者・東響子が飛鳥の異質さをより際立ててる気がして、その2人が同じ人間を同時に演じるという最後のオーディション、すごく面白い構図だなと思い返してみて思った。

チョコレートコスモス (角川文庫)

チョコレートコスモス (角川文庫)

 

 

  おわり。