贅沢な暇つぶしをしよう

 AppleMusicやらなんやら、サブスクのサービスが日本で本格的に始まってしばらく経った。俺はまだ触ってすらいません。それどころか、最近は16GBあるiPodの中身をアルバム10枚程度、3GBないくらいしか使わない無駄遣いっぷりを発揮。いや容量あるなら使えよと思う人もいるかもしれませんけど、俺にはこれがちょうどよさそうだと、何回か曲数を減らし、増やし、減らしを繰り返して気づいたのです。あと時代に逆行している感じが楽しい。本当はあわよくばCDプレイヤーなんか手に入れちゃって、アルバムを1枚か2枚だけ持ち歩いてそればっかり聴く、みたいなことをしたい。さすがにそれはある程度の情報過多に慣れてしまった俺にはできないかな。どうかな。

 去年の冬くらいから色々な音楽を聴こうと、死ぬほどレンタルしていたことは何回かブログで書いたけど、星の数より存在する音楽の海を泳ぎ続ける体力が尽きて、ちょっと前は聴き切れない音楽にうんざりしてた。なんで今聴いている曲よりも次に聴く曲を熱心に探さないといけないのだ。そんな感じだった。

 しかしiPodの曲数をばっさり減らすと、選択肢が減るので自ずと次に聴く曲もすぐ決まる。ここ半年はアルバムで通して聴くことを意識して音楽を聴いているのだけど、アルバムも10枚くらいしかないから、すぐに決めることができる。選択肢が少ないと雑念も少なくなる。そしたらあとは選んだ音楽を聴くだけだ。なんて快適な音楽ライフ!

 家に帰ってくればPCにはiPodに入ってる数十倍の曲があるので、iPodの中身で飽きたものがあったら何枚か差し替えればいい。そしたらまた一週間くらいそのままで楽しめる。大学生の俺は授業がない日も大学に行って読書をするか昼寝をするか食事をするか、という生活をしているので、そこで聴ける音楽はiPodに入ってる分だけなのだが、それらを繰り返し聴いているうちに、最初はなんとも思わなかった曲もいつの間にか気に入ってたりするので、そもそもなかなか飽きずに聴ける。この「繰り返し聴く」というの、結構大事なことだと思うのだ。ただの単純接触効果とか言うな。実際はそういうことなのかもしれないけど。そうやって繰り返して聴いて好きな曲がちょっと増えたところで、気になるアルバムがリリースされたり、何枚かアルバムを入れ替えることでまだ好きかどうかも分からない音楽もちょっと増える。選択肢の増え方がすごく自然に思えないだろうか? 自分はあまり一気に色んなモノを処理できるわけではないから、ちょっとずつ増やしていく方が自分のリズムに合っていて、うんざりせずに済むのだとようやく気づけた。そういう人間なので、AppleMusicとか使っても永遠に満足できないんじゃないかと思って手を出せずにいるのです。

 

 UNISON SQUARE GARDENの「mix juiceのいうとおり」という曲に

”一聴ではわからないならそれこそが贅沢な暇つぶしって思いはしないかしら”

  という歌詞があるんだけど、これほんと素晴らしい歌詞だなと思うわけです。彼らのように超キャッチーな曲をつくるバンドがこれを歌うということに大きな意味があるんじゃないだろうか。そんなユニゾンの最新アルバム『Dr.Izzy』、前にも書いたけどどこからどう聴いても最高。

 

 何が言いたかったのかというと、無限に存在する選択肢から好きなものを10個見つけてくるより、10個しかない選択肢を少しずつでもいくつも好きになっていく方がいいなと今は思っている、ということでありました。

 

 最近お気に入りのアルバムはcinema staffの『eve』。内省的でギタージャキジャキだった前作に比べると、すごく豊かで懐の深いアルバム。歌が明確に中心に据えられている感じがたまんなく好きです。序盤の「切り札」までの流れと、「deadman」からの終盤が良い。

eve 初回限定盤(DVD付)

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  なんだか支離滅裂になってしまったけどおわり。


cinema staff「希望の残骸」MV