つかずはなれず

特別なことなんて何もないよ

空想委員会『ダウトの行進』

 

ダウトの行進【豪華な通常盤】

ダウトの行進【豪華な通常盤】

 

  アルバムのクライマックスを飾っても違和感のなさそうな、サビでの開放的なメロディが印象的なミドルチューン「ミュージック」がアルバムの一曲目であると今作のティザー映像で知って、それでこの「ダウトの行進」を買うことを決めたんですよ実は。「ミュージック」だけを聴いた時はそこまで強くは惹かれなかったけれど、ティザー映像がこの曲から始まって、今作が歌から始まることに気づいた時に(あ、これは良いアルバムになりそうだな)と思ったわけです。ディレイを多用するギターだとか手数の多いドラムとか色々特徴はあるけれど、やっぱり空想委員会の魅力は歌のメロディと三浦委員長の歌声だと俺は思う。それを強く押し出した曲がアルバムのオープナーとなれば、初手から空想委員会の良さを聴き手に伝えようとするのにこれ以上の方法はないのでは。

 全体的な感触はこれまで通りダンス要素を含んだ邦楽ギターロック。特に「春恋、覚醒」「僕が雪を嫌うわけ」の既発曲2曲は彼らがASIAN KUNG-FU GENERATIONBase Ball Bearなどの直系ロキノンバンドであることを示すかのよう。そんな中唯一のバラードである「不在証明」と、アルバムの中でも飛び抜けて明るい「フロントマン」の2曲が個人的に特に気に入った曲でした。「フロントマン」は《どんなときでも あなたの前を行く おいで》と頼もしさが溢れ、その外を向いたベクトルは《例えば僕が消えて 世界は気付くのかな?》と歌う「不在証明」とは正反対のもの。前作「GPS」のリードトラック「劇的夏革命」から、ポジティブな歌詞が増えてきてますね。

 しかしやっぱり恋愛弱者感は相変わらずでして、特に「純愛、故に性悪説」はalbum mixでかっこよさも増したけれど、外見と中身のどちらが大事だろうか?と問う「容れ物と中身」のあとに来ることで情けなさも2割くらい増した気がします。でもそれでこそ空想委員会です。

 おわり。


空想委員会『ダウトの行進』Special Video (2/10発売)