Galileo Galilei『Sea and The Darkness』

 

Sea and The Darkness(初回生産限定盤)(DVD付)

Sea and The Darkness(初回生産限定盤)(DVD付)

 

  落ち着いた雰囲気で、どこか薄暗い印象もあるけれど、重苦しくない。むしろ、余計なものを脱ぎ捨てたときのような身軽さがあって、派手さはないけれどどこにも無駄がなく濃密で、聴けば聴くほどハマっていきます。すごく好き。あと、「ベッド / Love Song」のギターの音だとか、雰囲気的にThe Smithsの「The Queen Is Dead」をちょっと思い出した。と言ってもThe Smithsはこのアルバムしか知らない上に一応聴いたことがある程度なんですけど。

 それで本編の方、「恋の寿命 / Limit of Love」までを前半、「嵐のあとで / Aftermath」からを後半と俺は勝手に捉えているんですけど、この前半部分が特に好き。中でも4曲目の「ウェンズデイ / Wednesday」が最高ですね。これがリードトラックってのも最高。《いつも誰かの 不自然な死が きみのしたの茂みに火をつける》とかすごくゾクゾクするんだけど、ここだけ抜き出しても伝わらない気がするので是非聴いてみて欲しい。もちろん後半も好きです。「青い血 / Blue Blood」がとても良い。

 ボーナストラックの話をすると、最後に収録された「クライマー」と「ボニーとグライド」の2曲はボーナストラック扱いであるのが大正解であるように感じた。本編の中に組み込もうとすると浮きそうだけど、最後にあることでこのアルバムの(あるはずのない)続きを予感させられます。歌詞カードの「ボニーとグライド」のページには、犬が車の後部座席に乗せられてこちらを振り向いている絵が描かれているのだけど、その車が向かう朝焼けのように明るい方へと続いていく。そして、こっちを見ているその犬はきっと「またね!」なんて言っているんだろうなと。そんな風に思うとなんだか微笑ましくなってくるのです。

 おわり。


Galileo Galilei 『ウェンズデイ』