2018年1月

 あけましておめでとうございます(おそい)。2018年になって数週間とそこらが過ぎました。今年こそは月末あたりにその月のまとめみたいなの書けたらいいなと思うんですけど、書きますと言っても嘘になる可能性の方が高いので思うだけにとどめておきます。

 

・今月聴いたアルバム

 まずBrian the Sunの新しいアルバム『the Sun』をよく聴いていました。すごく耳馴染みの良い音で聴きやすく、かつバンド感もあってかっこいい。ストリングスが入った「カフネ」も、いざ聴いてみればストリングスに負けずバンドとしてきちんと成り立っている。全体として去年のアルバムより丸みを帯びたイメージなのですが、この変化はすごくアリだなと思います。ベースラインが意外とグイグイ動くのと、ドラムのリズムパターンがいくつもある(派手じゃないけど引き出しの多いドラムだなと思います)のとで聴き応えもあり、それでいて作品の重心はきちんと歌にあるのがグッド。歌詞も分かりやすい物が多いのですが、それが陳腐になっていないのは歌やバンドサウンドに説得力があるからなのかなと思います。会心の一枚。

the Sun(初回生産限定盤)(DVD付)

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 SAKANAMONの『・・・』は40分を切るコンパクトさがミソ。何度でも聴けます。ユーモアとかっこよさが同居する、藤森さんの類まれなるセンスによる楽曲の数々が最高なのはもちろんなのですが、ベースの森野さんが今回持ってきた「凡庸リアライズ」、これもすげー良い曲でした。アルバムが目まぐるしく展開していくなかで、「凡庸リアライズ」と「テヲフル」の並びが印象をがちっと固めてるように感じます。そして次にくる「反照」がやっぱハイライト。3分を切る疾走感と胸にグッとくる歌詞。ていうか全編通して藤森さんの作詞が今まで以上に冴えている気がします。関係ないけど、「乙女のKANJOU」を最初聴いた時、「ピンゾロ」「ピンゾロ」「ピンゾロ」と散々繰り返すところでCDプレイヤーがイカれたのかと思ってしまいました。

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 UNISON SQUARE GARDENの『MODE MOOD MODE』は買ったばかりなので簡単な印象だけ記しておきますが、まずこんだけかっこいい曲が並んでいながらつるっと聴けちゃうのはアルバム構成の妙なのかなと。シングル曲を4曲も収録ということでかなりどっしりしたものになるかなと思ってましたが、むしろすごく軽快な一枚になっています。また「Silent Libre Mirage」も、配信で聴いた時はかなり地味だなと思ったのですが、アルバムの中で聴くとすごく輝いていて、この地味さの意義が分かった気がしました。この曲自体が清涼剤的な意味合いを持ちつつ、その後の流れへの助走として配置されていて、なるほどな! という感じ。これだからアルバムという形で聴くのはやめられないんですよね。

MODE MOOD MODE (初回限定盤A) [CD+Blu-ray]

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 どれも収録時間が50分切ってて聴きやすいのが良い。1時間あったりする重たいアルバムは、聴くと良いなと思えるんですが腰を据えて聴くまでが個人的に長いので。

 「今月のアルバム」はBrian the Sunの『the Sun』ということで。とってもおすすめです!

 

・アニメとか

 それから、先月から「BanG Dream! ガールズバンドパーティ」、略してガルパ、にどっぷりはまってます。CDも買うレベル。「ゆら・ゆら Ring-Dong-Dance」めっちゃ好きです、今週発売の「Hey-day狂騒曲(カプリチオ)」とカップリングの「Scarlet sky」のフルも楽しみ。「Scarlet sky」は大きい会場のダブルアンコールで、客電全部ついた状態で聴きたい。五組バンドが出るんですが、Afterglowが特に好きです。幼馴染五人のバンドとか激アツ。ちなみに百合モノとしても楽しめる作品です。ちょうど今アニメの再放送をやってくれているのが嬉しい。

ゆら・ゆら Ring-Dong-Dance

ゆら・ゆら Ring-Dong-Dance

 
Hey-day狂騒曲(カプリチオ)

Hey-day狂騒曲(カプリチオ)

 

 

 前クールは結局アニメをあんまり見なかったのですが、今のクールはもっと見たいなという気持ちでいます。まだ見てないのもたくさんありますが。それか、前クールで録ったまま見ていない「クジラの子らは砂上に歌う」とか一気に見るのもあり。

 「刀使ノ巫女」、キャラクターたくさんいるし半年くらいやったら面白くなりそうだなと思ったんですけど、たぶん1クールなんでしょうね……。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の1,2話を録画しそこねたのは今年始まってから最大の失態です。

 

 「りゅうおうのおしごと!」はアニメを見る前に原作を読みたい……出てるのは7巻まで全部買っているのですが、実際には4巻までしか読んでいないという体たらく。積読がいよいよ二桁を超えたのですが、一ヶ月ガルパばっかりやってて全然読んでいないのでそろそろ読書もしたい……と一週間くらいTwitterなんかでもずっと言っているのですが相変わらずです。

 

 

・その他

 春から就職なので、先日関東の方に家を探しに行きました。ちょうど雪がどさどさ降った日に物件探しに行っていたので、帰りが大変でした。改札の入場規制なんて初めて。それにしてもあんなに雪が降るとは思わなかった。

 引っ越しやら何やらでお金がかかるので、就職してお給料をもらったらCDをたくさん買うことにして、ALやBURNOUT SYNDROMESのアルバムを今は我慢しようかなぁと思っています。

 この手の生活のことを「その他」として書いてるあたり自分の生活における興味関心がよく分かる気がしますね。あ、卒論は無事提出できました。

 おわり。

雑記(2017/11/15)

 最近歯医者に通っています。治療自体がイヤなのも然ることながら、何度も通っていると治療費がばかにならない。まだしばらく治療は続くし、このお金で一体何冊の本を読みいくつの曲を聴けただろうと考えてしまう。色んな意味で身体は大事にするべきだと痛感する今日このごろ。例えば歯医者なんて、辛い思いをしてさらにお金まで払わなきゃいけないとか、ほんとに意味分からない(けど虫歯を治すためには仕方ない)。

 

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 2017年のベストアルバムを考える前に、シングル、アルバム合わせてどれだけ聴いたのか集計してみたところ、お金を払った(配信、フィジカルでの購入とレンタル)ものや人に借りたものが全部で40タイトルあった。今週のユニゾンの新譜を買って、来月尾崎兄ソロアルバムを買って、それで今年はおしまいにしたい。いや、本当は米津玄師とかBase Ball Bearとか買いたいんだけど、歯医者にお金が思ったよりかかってしまっているのと、そもそも卒論書かなきゃいけないのと、卒論提出後に旅行に行ったりするのを考えると、金銭的にも時間的にもそんなに余裕はなさげ。いやでも米津玄師のアルバムを聴かずに2017年を終われるか……? 2017年のみならず、10年代の邦楽を語るなら米津玄師はマストではないだろうか。……と思ったのだけど、2017年の邦楽を語りたくてマイベスト決めてるわけじゃないしね、あくまで自分にとっての2017年だし別にいいよね、と思う部分もあり。でもやっぱこう、これだけはおさえておきたい、おさえておくべきでは、おさえておかねばというある種オタク的な部分が疼いたりもする。ていうか「ピースサイン」をフルできちんと聴きたい。こんなことで悩まずに好きなだけお金を使えるようになりたいぜ。

 話が随分飛んでしまった。ベストアルバムの話に戻ると、上の40タイトルにSpotifyで聴いたものが加わると結構な数になるが、今のところあれでしか聴いていないものは含めない予定。私の感覚ではSpotifyは「試聴」みたいなものなので、それでしか聴いていないものに「マイベスト」なんて付けちゃうのはどうなんだと。あと一ヶ月で考えが変わったら別だけど。あの手の定額サービスにお金を払い出したらまた変わってくるのだと思うけど、今のところその予定はない。

 

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 最近は秋山瑞人の『イリヤの空、UFOの夏』を読んでる。2巻までブックオフで見つけて読んで、続きが気になってAmazonでポチった。ライトノベルにおける想像力(というものが仮にあるとして)も、00年頃と最近ではだいぶ違うのだなと感じている。最近のライトノベルは特に、ライトノベルばかりを読んで育った人がそのままライトノベルを書いているような感じ。何かに似ているなと思ったら最近のJ-ROCKもそんな感じだ。少なくとも私はそんな風に認識している。

 

 

 卒論が死ぬほどめんどくさい。というかテーマについて考えるのもう飽きた。飽きるほど考え抜いたのかと言われると頷くことは出来ないけど。今は別の本を読むのが楽しい。プロ倫とか。しかし人文学はなんて楽しいんだろうと思う。役に立たないなんて言われるが、そんなこと言ったら、少々極端だが「お前が生きていることが何の役に立つんだ」という話だ。自分の生や、その受け皿たる社会というものを、そこに浮かび上がる様々な言表をどうにか理解したり、意味付けしたりするために人文学というものがあるのだ。だから「役に立たない」なんて言い方するな。せめて「お金にならない」と言え。

 服用しすぎて毒になってしまう薬を飲み続けるよりも、いつか薬になるかもしれない毒を飲み続けていたい。そんな想いを抱きながら人文学を学んでいる。出来ればもう一年早くそう思うようになっておきたかった。それはそれとして卒論は死ぬほどめんどくさい。

 おわり。

 

2017年10月のこと

 連載というものに憧れている。その月にあったことや考えたことから、あの頃聴いた音楽や最近熱中しているものにまで繋げていくような文章の連載。Twitterのライブ感もとても楽しいのだけど、一方でちょっと立ち止まって一ヶ月を振り返るような文章を書きたいなぁと思った。


 それじゃあやっちゃえ!と書き始めること自体はきっとそんなに難しくないのだけど、それを続けることができるかと言えば別問題である。このブログが完全に不定期更新になっていることからも分かる通り、思い立って行動することは苦手じゃないが大抵同じペースでは続かない。飽きっぽいのかもしれない。

 

 けれど文章を書くこと自体は嫌いじゃないし、思いついたらたったかたっと書いてしまいたいと思う。上手く次の言葉が出ないとすぐそのアイディアを投げ捨てるあたりも堪え性の無さを表しているのだが、それでも気づけばまた文章を書いているのだから、たぶん半分くらいは癖のようなものなんだと思う。
 それについて、最近読んだ恩田陸の『ブラザー・サン シスター・ムーン』という半分くらい自伝的な小説に次のような文章があってすごくしっくりきた。

 

 書くというのは癖だ。やめようにもやめられない、あんまり誉められたものではない、注意されるといっときは直るが、しばらくするとやっぱり出てきてしまう悪癖のようなものだ。

 

 恩田陸じゃないけど、自分の物書き癖もどこかこんなところがある。読み返して下手くそだなぁと思ったり、人に読まれたことをとても恥ずかしく思ったりしても、喉元すぎればなんとやら、気付いたらまた書いてしまっている。そうでなければこんなとりとめもない文章を書かない気がする。喋るのは苦手なくせに不思議な話だ。

ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)

ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)

 

 

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 連載と言えば、音楽雑誌のMUSICAを読むことが多いのだけど、それに毎月載っているディスクレビューを読むのが楽しい。レビューされるアルバムの枚数も多いし、複数人で同じものをレビューしているので色んな聴き方が分かる。そこで特に信頼しているライターがいて、立ち読みで済ませてしまう時もその人のレビューは探して全部読んでいる気がする。


 その人の何が良いって、音楽に対するセンスが近い気がするのだ。レビューしているアルバムも気になっていたり実際に買ったりしたものが多いし、そうなると知らなかったアルバムも聴いてみたいと思える。


 あとべた褒めばかりじゃないのも良い。個人的に褒めてばかりのライターはあんまり信用していないので。毎回最高傑作とか言われてもなぁと思うのと同じ感覚。つまんないものをつまんないと言う人だからこそ、「良かった」の一言が響くものだと私は思う。個人のブログだったら、べた褒めでも(この人はそういうスタンスなんだな)と思うし楽しく読むけど、音楽雑誌みたいなのでそれは(ちょっとな~、ビジネスっぽいな~)と感じてしまう。

 

 (この人のオススメするものだったら特に触れてみたい)と思える人がいるとTwitterなんかも楽しい。感想が違う時も(あ、そんな風にも見えるんだ、なるほど)と素直に受け入れられる。そういう人を常に探しております。あとクロスレビューとかもいつかしてみたい。

 

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 連載とディスクレビューの話をしたついでに個人的な「今月のアルバム」の話もちょっとだけ。今月はミニアルバム含め全部で6枚(6枚も!)買って、どれも外れなしのアルバムだったのだけど、アルバムとしての完成度の高さを特に感じたのはこれ。

20/20(トゥエンティトゥエンティ)

20/20(トゥエンティトゥエンティ)

 

 

 全11曲30分ちょっとのコンパクトさで、ダレることなく心地良い音楽に浸れるナイスなアルバムでした。特に「さよなら!さよなら!」が好きで、ストリングスががっつり取り入れられてるけどそこにいやらしさがないのがすごく素敵。バンドじゃなくソロでやってる分、アルバムを彩る楽器が様々なんですけど、それぞれが仰々しくなく、控えめながらに存在感があるというのが良かったです。

 

 

 さあこれで来月も月末に「今月のアルバム」を書くきっかけが出来た。アルバムを買わなかった月も、その月にたくさん聴いたアルバムを紹介したいなと思ってはいるのだけど、果たしてこれは連載として続いていくのだろうか。乞うご期待……いや期待はしないでおいてください。
 「今年のマイベストアルバム」も考え始めていますが、今年は順位をつけない可能性が高いです。その分それぞれの感想をきちんと書けたら良いんですけど、正直これから卒論で忙しくなる気しかしないのでそれも怪しい。
 来月も書くきっかけが出来たと言ったそばから卒論で忙しくなるとか言ってるけど、ほんとに連載として書く気あるのかなこの人。

 おわり。