ASIAN KUNG-FU GENERATION『ファンクラブ』
最近ASIAN KUNG-FU GENERATIONを聴こうと思った時、『ファンクラブ』ばかり選んでしまう。自分の最近の音楽の好みで言えば間違いなく『ソルファ』か『サーフ ブンガク カマクラ』だろうに。なんで自分が『ファンクラブ』を夢中になって聴いてるのかさっぱり分からない。しかし、一度(あ、俺『ファンクラブ』にハマってんのかなぁ)と思うと、その理由を考えるためにまた聴いたり、昨日も聴いたし今日も聴こうという感じで聴いたり、もはやどツボにハマっています。もうこれ理屈じゃないですね、体が求めてますね。
- アーティスト: ASIAN KUNG-FU GENERATION,後藤正文
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2006/03/15
- メディア: CD
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ジャケットにも表れている内省的でモノクロな世界観とややこしい楽曲たちのおかげで、聴いていても盛り上がらないというのと、今の自分の精神状態が妙にマッチするのかもしれない。だからでしょうか、「ワールドアパート」とかむっちゃ飛ばしたくなる。「路地裏のうさぎ」もこれだけだったらたぶん聴かないが、次の「ブルートレイン」への流れが大好きなので飛ばさない。余韻を突き刺すギターの鋭い音が見事なまでに気持ちいいのだ。「ブルートレイン」や「センスレス」のイントロが鳴り出すと心のうぶ毛がザワッと逆立つような、薄暗い部屋でニヤァ…っとしてしまうような、謎の高揚。こんなの誰かと共有するもんじゃない。暗い部屋で毛布に包まって膝抱えたままでも俺は興奮できるのだ。此処には俺一人だが、此処には一人で十分なのだ。聴いているみんなと繋がってるぜ一人じゃないぜなんて音楽聴いてられるか。そういう距離感で聴けるから『ファンクラブ』を選んでるのかもしれない。書いていて気づいた。
なんてことを考えながら、「月光」「タイトロープ」の流れで俺は一人のまま真っ白になって消えていくのです……。
おわり。
雑記(2017/2/9)
コーヒーを飲んでからしばらくの間、お手洗いにいくたびにコーヒーの香りが立ち上ってきたので本当に参った。Twitterにはさすがに書けないけど、この気持ちをどこかに置いておきたかったのでここに書いておく。
大学の生協で「読書マラソン」というものをやっていたので参加することにした。本を読み、その感想をカードに書いてもっていくとスタンプが押され、それを10個集めると500円分の図書カードがもらえるらしい。感想文の文量はブログで書くには短いけどTwitterよりは長いくらいで、ブログとTwitterの中間くらいの文章を書きたいなーと思っていた俺にとってどんぴしゃの制限かもしれない。好きなことをやったら500円分の図書カードなんてステキすぎるではないか。もっと早くからやっていればよかった! 記念すべき一冊目は村上春樹の『パン屋再襲撃』でした。
タイトルに惹かれて買った本。襲撃したところでたかがパン屋、しかしそれを「再び」襲撃するというタイトルのへんてこさを気に入ってしまった(感想カードにも似たようなことを書いた)。文章も思っていたより好みだった。村上春樹は登場人物が女とすぐ寝るとかなんとか言われるけど、それよりもチーズ・バーガーとか、スーパー・マーケットとか、いちいち・を入れてくるところがすごく気になる。
『寄宿学校のジュリエット』の4巻を買いました。とにかくヒロインのペルシアが可愛いです。この漫画を読んでるときは著しく偏差値が下がっている気がする。あとペルシアとシャル姫の百合もがっつり妄想できそうなんだけど、ペルシアが犬塚にぞっこんで、またそこが可愛いので、余計な妄想はしないでおこうというのが今の俺の気持ち。
あれだけサブスクリプションのサービスは使わないだろうと思っていたのに、ついにSpotifyをPCにダウンロードしてしまった。使ってみてまず思ったのが、これがあったらレンタルなんかしなくなるよな、ということ。ただ、これも予想していたことだけど、聴きながら別の音楽を探すという、ほんとに音楽を聴いてんだか分かんない状況に陥るなあと。やっぱりCDだとか、始まりと終わりがはっきりしているものっていうのは楽ですね。しかしSpotifyのような存在をすげー便利だと思ったのも事実で、今後はこれを新しい音楽や気になる音楽を探すためのツールとして、YouTubeみたいな使い方をするのだろうと思う。そこで聴いたCloud Nothingsの新譜がむちゃよかった。きのこ帝国はもう少し買わずにおいてもいいかもなぁ、と聴いてみて思ったけど、そんなことを言って結局買わずじまいになってしまいそうだ。
ここ数日はあとASIAN KUNG-FU GENERATIONの『ファンクラブ』とGOING UNDER GROUNDの『かよわきエナジー』をよく聴いています。GOING UNDER GROUNDについては、バンドリで「グラフティー」「センチメント・エクスプレス」をカバーしてほしいなって思いながら聴いてる。
おわり。
ねごと『ETERNALBEAT』
前作「VISION」はバンドサウンドの中に浮遊感を感じさせるアルバムでしたが、ダンスミュージック的な、エレクトロなビートが中心となった今作の雰囲気は以前に増してスペーシー。エレクトロと言ってもその音像はどちらかと言えば柔らかくしなやかで、随分上手にポップな方へ落とし込んだなという印象を受けます。まずは「ETERNALBEAT」「アシンメトリ」の冒頭2曲で、気づけばすっかり宇宙空間に全身を委ねているような気分に。
ねごと - ETERNALBEAT [Official Music Video]
しかしアルバムを俯瞰して見れば、エレクトロ一辺倒ではなくバンドサウンドも存分に鳴っていて、そのアプローチの多彩さには思わず舌を巻いてしまいます。前半はエレクトロを中心にクールなサウンドを展開。序盤の流れを組んだ「mellow」「君の夢」の並びではその浮遊感がピークに達して、音を聴いている自分と脳裏に浮かんだ空中を漂う自分のイメージの境界線が溶けてなくなり、トリップするような感覚すら覚えます。
その後の「DESTINY」からの流れでは、クールさを保ちつつもバンドサウンドが目立ち始め、前半では抑えていた熱も感じられる。
ねごと - DESTINY [Official Music Video]
そうしてエレクトロ、バンドサウンドを行き来し、自由に宇宙空間を泳ぎ踊った後は、最後の「凛夜」で星空の下を歩き、冷たい夜の空気に触れて火照った肌を冷ますのです。アルバムを一枚聴き終える頃には小さな宇宙旅行に行ったような気分にすらなっていた。終わりには地上に返してくれるところが優しい。
俺が特に良いなと思ったのは、非常に自然にエレクトロとバンドサウンドとが混ざり合っているところ。と言っても、もともと全然エレクトロを聴いてないのであんまり偉そうなことは言えないんですけど、大げさすぎず、軽すぎず、すごく上品なサウンドプロダクションだなと思います。バランス感覚が見事。清廉とした音が鳴っていて、「PLANET」なんて耳触りがすごく気持ち良い。それでいて情報量もなかなか多く、たぶん時間を空けて聴き返さないと気付かないような音もあるのでしょうね。そういう意味でも聴き応えのあるアルバムです。
ところで今作、iTunesでの表示されているジャンルが「Pop」でした。iTunesのジャンルなんて多くの人は気にしないでしょうし、これがどう決まってるのか俺は全く知らないんですけど、前作までのアルバムがRockなのに対し今作がPopと表示されている、それが今作を一番雄弁に物語っているように思えます。
おわり。